712月/110

母親

彼と付き合い始めてまもなくの事。
私は彼の事を「可愛いなあ」と感じるようになっていました。
決して馬鹿にした意味などでは無く、
「愛しい」という意味合いです。
彼は普段は強気で、仕事もテキパキとこなすようです。
彼の会社での後輩から話を聞くと何でも「厳しい」らしいのです。
私は想像も付きませんでした。
私が知っている彼は、明るくて朗らかでそしてちょっと‘甘ったれ‘(笑)
私しか知らない彼の一面があることを知り純粋に嬉しく思いました。
彼の‘甘ったれた出会い‘の部分に可愛いと感じていたのでしょう。
そこに対して愛しさを持ち接していくうちに彼の甘え振りが少しずつ強くなっていきました。
仕事でのストレスもあるでしょうし、
職場ではあるていどの役職もあったので「息を抜きたいのだろう」と感じていたのですが・・・。
ある時
「これって私はまるで母親じゃない!?」
と思うようになっていったのです。
いう事や立ち振る舞いがまるで母親。
自分が母親にされたことを、彼にしている。
そんな状況でした。
そしてそんな私を彼は求めていました。
彼の心の中に空いていた枠はきっと「母親」を求めるものだったのかもしれません。
私は母親になりきる事はできません。
そして母親的な立ち振る舞いを望まれる事が苦しくなってしまいました。
「私達はもう無理かもしれない」と思った瞬間でした。